リケ男とリケ子の重量鉄骨2階建てヘーベルハウスFREX建築計画

重量鉄骨ヘーベルハウス FREX(フレックス)建築記 2018年11月完成!!!

運命の土地に出会う

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このままだとレスコハウスで家を建てる事になりそうだ。レスコハウスの売りといえば、鉄筋コンクリートの構造とZ空調(ぜっくうちょう)

Z空調とは全館空調の呼称で、オバちゃんも今度レスコハウスのモデルハウスを見る時には、絶対にその良さを体感してほしい!と熱弁をふるっていた。ヘーベルハウスで家を建てることは殆どなさそうだが、ここまで来たら見積もりまで見てみたい。その一心でヘーベルハウスさわやか営業マンにはあいまいな態度を取り続けた。同時にヘーベルハウスのネットでの評判を色々調査していた。

寒い
・音が漏れる
30年間メンテナンスフリーだと言われたが、途中でメンテナンスが必要といわれた(のちに昔のヘーベルハウスということが判明)
・寒い地方で建てられない
・気密性が低い

中には間違った情報もあるが、大手なので色々出てくる。それに比べてレスコハウスの情報の少なさ。オバちゃんの人柄には惹かれていたが、レスコハウスの良さも悪さもまだいまひとつ分かっていなかった。

ちなみに週末の予定は以下のような感じになっていた。

(次の日曜日)ヘーベルハウス・数珠と一緒に新しい土地を見に行く。
(その次の土曜日)オバちゃんに土地の紹介を受ける。その後一緒にレスコハウスのモデルハウスを見に行く(Z空調を体感する)。

毎日、土地や家の事ばかりを考えていて疲弊していた私たちにとっては、なかなかのハードスケジュールだったが、2つのメーカーをきちんと比べられるいいチャンスかもしれない。自分たちでも新しい土地がないか探してはいたが、やっぱりあの土地以上の土地は見つからない。いくらプロだと言っても、数珠やオバちゃんに頼んで何かが変わるのだろうか。お気に入りの土地への失意を抱えながら、週末を迎えた。

日曜日、この日も朝は早かった。11月も終わりに近づいていてかなり底冷えをしていたその日、待ち合わせ場所のヘーベルハウス・モデルハウスに行くと、モデルハウスはまだオープン前これから床暖房を入れようとしているところだった。

さわやか営業マン「朝早いので、まだ床暖房を入れていなくて・・・寒いですよね・・・すいませんっ!!!

さわやか営業マンは謝っていたが、床暖房を入れていない状態でもそこまで寒くない。そして床暖房を入れてからわずか10分ほどで、かなり部屋が暖まってくるのが体感できた。
リケ男・リケ子(・・・寒いって噂、嘘じゃん・・・)

ネットには様々な悪評があったが、実際の体感してみるとそんなことはなかった。地震や災害に強い事は実証済みで、実際に寒くもない。ここのところ、候補からヘーベルハウスを除外しかけていた私たちだったが、ちゃんと真実を知って比較してみよう、そう思った瞬間だった。

さわやか営業マンと談笑していると、ヤツがやってきた。今日もタートルネックに数珠。挨拶もそこそこに、数珠は心底嬉しそうに私たちにこう言った。

数珠「あの土地残念でしたね。さわやか君から聞きましたけれど、もう2番手の人もいるみたいなんで。3番手じゃまぁ無理でしょうねっ!!

リケ男・リケ子(その2番手、私たちだけどなっ!!!

これまで通り数珠にイラッとしたが、数珠が新しい土地の情報を持っているとの事で、ここは大人しくその話を聞く事にした。

数珠「紹介する前にまず言いますけれど、私のお客さんの場合、1発目の土地で決めるか、地域を変えるかのどちらかですからっ!まぁ地域を変えるって事は、最初の地域にいい土地がなかったってことですね!この場合、土地なんて待ってても全然出てこないんで。」

リケ男・リケ子(はいはい、絶対うそ~)

数珠「あ、嘘だと思ったでしょう??これ、事実ですからぁ!!」

前置きにはかなりムカついたが、早速土地を紹介してもらった。地域は前のお気に入りの土地とほぼ同じ地域。各土地についてバスの時刻表まで調べてやがる。リケ子は通勤にバスを使う事になるため、バスの頻度は重要項目のうちの一つだ。数珠、やるな・・・。

紹介された土地のうち、見学してみても良いかと思う土地が1つだけあった。その土地はインターネット検索では全く上がってこなかった土地で、数珠が顔見知りの不動産屋へ声を掛けて探し当てたという土地だった。

数珠「やっぱりこの土地良いですよねぇ。ここの不動産屋が“数珠さんだから”っていって教えてくれた土地なんですよ。不動産屋って横のつながり大事にするんで。あと、1週間後にいろんな展示場に土地の情報をばらまくって言ってたから、これもばらまいたらすぐ売れちゃうと思いますけどねっ!!リケ男さんたちが良いって思う土地は、みんなもそう思うんで!」

数珠には心底イライラしたが、確かにその土地は立地、広さ、値段、どれをとっても条件には当てはまっていた。

数珠「ちなみに、まだヘーベルハウスで建てていいか迷ってるってさわやか君から聞いたんだけど、そうなんですか?」

リケ男「そうですね。今、パルコンと迷っているんです。」
連絡は全然来ないが、パルコンの方が大手で安心できる感があり、つい出てしまった

数珠「はっ!?パルコン?あんなのだめですよっ!!!(汗」

何故か、いきなり焦りだす数珠とさわやか営業マン。それもそのはず、なんといっても鉄筋コンクリート住宅が頑丈なのは間違いない!!ヘーベルハウスの売りである頑丈では対抗することができない。

数珠「鉄筋コンクリートだと、リフォームするときに壁が邪魔でできなくなりますよ。その点、ヘーベルハウスはそんな心配いりませんから・・・」

リケ男(おいおい、数珠って不動産屋じゃないのか??なんでこんなにヘーベルハウスの営業マンが言うようなセリフを言うのだろうか・・・)

ヘーベルハウス元店長の血が騒いだのか、ヘーベルハウスのメリットを力説された。数珠が言うには、構造上必要な柱が少なくて、リフォームが簡単にできる。販売後のサポート体制が充実している。この2点しか出てこなかったが、確かに販売後のサポート体制は重要である。何といっても実家のパナホーム(パナソニックホームズ)のようなことが起きたら大変だからだ。

rikei-hebel.hatenablog.jp

一通り、鉄筋コンクリート住宅のデメリットを説明して満足した数珠は、早速土地を見に行く段取りを始めた。

数珠「では、こちらの土地気に入っているようなので早速行っちゃいますか!」
数珠「さわやか君、俺その後、他のお客さんのところに行かないといけないからさっ、自分の車で土地まで来とけよ。」

この日の詳細のスケジュールは知らなかったが、どうやら土地を見に行ったあとも私たちはヘーベルハウスの展示場へ連れ戻されるらしく、行きは数珠の車で、帰りはさわやか営業マンの車に乗ることになった。

数珠の車は走行中の騒音が少ない事が自慢のハイブリッド車・プリウスだったが、異常に騒がしい。どうやら音が出るようにマフラーを改造しているようだった。

リケ子「なんかこの車、すごい音してません・・・?
数珠「静かだとみんなに気づかれないので、わざとうるさくしているんですっ!!
リケ男(エンジンが止まるEVモードになったら、静かになるだろ!何適当なこと言ってるんだ。ただ車を改造するのが好きなだけだろ。お客を乗せる車を改造するなーーっ!!!

展示場から土地までは30~40分はかかる。つまりその間、数珠とどうにか過ごさなければいけないという事だった。数珠と何を話したらよいか不安ではあったが、さすが元営業だけあって、数珠は一人で勝手に話し始めた。その中で、数珠はどうやらヘーベルハウスを買うお客さんしか相手をしていないらしいことが分かった。脱サラをした当初は先の不安もあったようだが、今はヘーベルハウスのおかげでウハウハな様子だ。

土日で1日に2人に土地を紹介することができれば、1人当たり仲介手数料が30万だとしても、1か月で480万。1年間では5760万!!全部両手の取引の場合はその倍額!!しかも、ハウスメーカーは気に入らなくても、土地だけを購入することだって普通にあるはずだ。これはなかなかいい商売なのかもしれない・・・

リケ男が色々考えている間に、展示場から30分ほどでその土地には着いた。その土地は前に気に入っていた土地よりも少し駅から離れるが、バスに乗る所要時間もほとんど変わらない,立地的には完璧な土地だった。閑静な住宅街で、同じように一軒家が立ち並んでおり、中にはまだまだ新築したばかりと思われる家も多い地域だった。

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数珠「閑静な住宅街ですし、元々あのお宅が地主さんだったみたいなんですが、あの綺麗なお庭みてください。ああやって庭を手入れしている人っていうのは、地域の事も色々考えてくれたり良い人が多いですよ!えぇ!!やっぱりいい土地ですね!!住宅展示場に情報をバラまいたら、すぐに売れちゃうでしょうねー!!」

最後の脅しとも取れる言葉にはちょっとイラっとしたが、確かにこの土地は悪くなかった。日当たりは良いし、周りの環境も申し分ない。何より値段だって・・・。そんなことを考えていると、道に迷ってしまったのか5分ほど遅れてさわやか営業マンが現れた。

数珠(早くここに止めろよ!!!

言葉は発さずに動作のみでさわやか営業マンに指図をしつつ、数珠は話し続ける。

数珠「ゴミ捨て場は向こうの角ですね!!元地主さんが場所を整備してくれたみたいですね!!水道とガスはまだ通っていないですが、その費用は全部不動産屋が払うって言ってますし、そんなラッキーな事普通はないですから!!!」

実は今回は売地が2か所並んでいるような土地だった。南側と北側の土地。北側の土地の方が100万円ほど安価だった。数珠とさわやか営業マンは安い北側の土地を勧めてきたが、日当たりが良い方を選ぶのに決まっている!多少値が張ってもいいので、もし購入するとなれば迷わず南側の土地を選ぶ事を伝えた。
この時点で私たちが割とこの土地に惹かれている事は、数珠にもさわやか営業マンにも伝わっていただろう。

数珠「この土地いいでしょう???(ニヤ)」
無言で頷く私たちに、数珠はさらに勢いづく。
数珠「ヘーベルハウスもいいでしょう??(ニヤ)」

数珠の事は心底嫌いだが、その土地は自分たちでは探し当てる事ができなかった土地。ヤツの実力は認めざるを得なかった。前に探し当てたお気に入りの土地は2番手として申し込みはしているものの、1番手の人は土地を気に入っているようだし、私たちに順番がやってくる可能性はきっと低いだろう。

土地を手に入れられなかった時の気持ちはもう味わいたくなかった。