お気に入りの土地へすでに申し込みが1件入っている事を知った翌日、仕事をしながらも、その不動産屋からいつ連絡が来るのか気が気ではなかった。すでに前日の夜に結論は出ているはず。それにも関わらず、お昼過ぎまで待っても連絡は来なかった。
いても立ってもいられなくなったリケ子は、再びオバちゃんに助けをもとめた。オバちゃんに電話をすると、すぐにその不動産屋さんに連絡をとってくれるとのことだった。30分くらい経過したころ、オバちゃんから電話が来た。
オバちゃん「リケ子さん・・・あの土地売れちゃった・・・」
やっぱり・・・。私たちが運命だと信じてやまなかったあの土地は売れてしまった。オバちゃんの話によると、1番手の人たちはローンの審査はまだ通っていない状態らしい。人の不幸を願うようで気分はよくないが、万が一その人たちがローンの審査に落ちてしまったら、土地を買う権利は二番手であるリケ男とリケ子に来る。期待はそこまで出来ないけれど、次の土地を探しつつ、今の土地の動向も見ていこうという事になった。
話は少し遡る事になるが、例の数珠から土地のセミナーを受けた日、ヘーベルハウスのさわやか営業マンからローンの仮審査の申し込みをしてみないかという提案を受けていた。どのハウスメーカーで建てるかはまだ分からないが家を買う事にはなりそう、という状況だったので、「とりあえず」という気持ちでローンの仮審査の申し込みをする事にした。
ローンの仮審査には源泉徴収票が必要で、土地のセミナーの日に持ち合わせているわけはない。ただ、土地セミナーでローンの仮審査に通っている方が気に入った土地が見つかった場合にも、一番手になりやすいということをヘーベルハウスから聞かされていた私たちは、言われた通りに源泉徴収票を用意していた。
今回のお気に入りの土地は売れてしまってはいたが、オバちゃんの言う通りまだチャンスはあるかもしれない。そのチャンスを逃さないためにも、ローンの仮審査をすぐにでも通したい。そんな時、またヘーベルハウスからまた電話がかかってきた。
さわやか営業マン「源泉徴収票って用意できました??」
リケ男「あー用意できてますよー。」
どうやら我が家はさわやか営業マンの帰り道に位置するらしい。すでに用意ができている事を伝えると、さわやか営業マンが帰りがてら我が家に寄り、源泉徴収票を受け取ることになった。
ピンポーン
源泉徴収票を手にリケ男が玄関先に向かったが、なかなかリケ男は帰ってこない。気になるが特に話には混ざりたくなかったリケ子は、リビングのドアに耳を当て会話を聞いていた。
さわやか営業マン「ヘーベルハウスの何がいけないんですかああぁぁぁぁ(2回目)。どこか気になっているところあるんですかあぁぁぁ。」
リケ男「ヘーベルハウスは寒いとか、換気システムがイマイチとか・・・。それに、ちゃんとした見積もり出ていないのに、決めるわけないじゃないですか。」
それしか聞こえなかったが、全然帰りそうな気配がないことは確かである。声のトーンが上がっているさわやか営業マンと比較し、塩対応なリケ男。その後も似たような会話が続いていたものの、両者の会話は盛り上がりも見せず、またもちろん結論も出ていなかった。ただその日は11月後半で、しかも夜。さわやか営業マンは心も体も冷え切ってしまったようで、凍えながら我が家を後にした。
さわやか営業マンが必死になればなるほど、冷めていく私たちの気持ち。どうやってこのままヘーベルハウスからフェードアウトしようか、作戦を練らなければいけなさそうだった。
ヘーベルハウス VS レスコハウスになってきたが・・・そういえば、パルコンからは1回も連絡が来ない。パルコン、どこ行った??