まんじゅうの効果はあるのか
リケ男とリケ子(まんじゅう持参)が戦いの舞台であるテーブルに着く。目の前には小人と召使い。そしてやっつけヘーベルと数珠。
リケ子(ビリビリ(まんじゅうの包装を破る音))
リケ男(さぁ、まんじゅうを差し出すんだリケ子!!)
召使い「えー、本日はお忙しい中・・・」
リケ男(あれっ、まんじゅう・・・まだか・・・。)
召使い「どうにか2階建てにすることはできないでしょうか?」
リケ男(さぁ、やっつけヘーベルよ。リードすると言っていたんだからここで何かしらの動きがあるはずだ!!)
・・・
・・・
やっつけヘーベルを見つめるリケ男
・・・
リケ男(リードしないんかい!!!このままでは気まずすぎる。何かしら答えなければ・・・。)
リケ男「いや。無理ですね。法律的にそのように制限される地域ではないので。さらに契約時にもそのような条件はなかったので。今更そのようなことを言われても無理です。」
召使い「そこを何とか・・・ねっ。」
リケ男「いや 無理ですっ!!。」
リケ男と召使いの押し問答が続いた後、小人が語りだした。
小人「私たちは長くあの土地(小人ハウス)で商売しているんですが、ほとんどのお客さんは木造2階建てです。なので、てっきりリケ男とリケ子さんも木造2階建てを建てると思っていたんですよ。でも3階建てを建てられるだなんてすごいですね~~。」
リケ男(小人が語りだしたと思ったら、なぜか褒められたぞ。これはきっと交渉の作戦に違いない!!その手には乗らないぞ!!)
リケ男「ありがとうございます。(冷」
小人「私たちはいつも、建ぺい率50%・容積率100%の土地しか扱ってこなかったものですから、この土地だと3階建ては無理なんですよね。でも今回は違ったんです。建ぺい率70%・容積率200%。これに気づかなかったんです。申し訳ありません。」
リケ男「だから問題ないですよね。(怒」
リケ男(やっつけヘーベル!!!早くこの会議をリードしろっ!!)
小人「私たちは2階建て専門で商売してきたので・・・申し訳ないんだけど3階建てはダメなんです。もし、最初に3階建てって聞いていれば売りませんでしたっ!」
リケ男「それを言うのを忘れてたとしても、もう契約してますから。」
ここでまさかの男が口を開く
数珠「私も業者に土地情報を聞くときに、3階建ての場合は伝えてるんです。隣の家ともめることも3階建てだとよくあるんです。」
リケ男(おいおいおいおい(怒 お前どっちの味方なんだよ???だから数珠は嫌いなんだよ)
リケ男「今回の土地はもめるような家はないと思いますが」
下側の土地が今回契約した土地で、周りに影響を受ける家はない。
リケ男(影響って誰が受けるんだ??まさか、北側の土地が売れなくなるからやめてくれって言ってるのか??はぁぁ??)
小人「いや~、元地主がなんというか・・・ちょっと聞いてみないと。周りのお家も2階建てですし、2階建てしか建ててこなかった私たちの紹介した土地に3階建てになると私の信用問題にもなって土地を売ってもらえなくなってしまうかもしれないので・・・。」
リケ男(元地主って関係ないでしょ。もう元地主は小人にこの土地を譲ってもう関係ないんだから。もし日当たりとか風景が気になるんならこの土地に引っ越して地主の土地を売るべきだったな。目の前の土地を売ったんだからこうなることは想像できたはず。土地の条件的にも3階建てを建てられるから文句を言われる筋合いはない!!)
リケ男「2階建ての定義って何なんですか?最近天井の高い2階建てありますよね。」
左は一条工務店などで多く見られる片流れ屋根。これも2階建て。右はミサワホームの蔵という商品。1階と2階の間に空間を作って荷物を収納できるというものらしい。これも多分2階建て。
するとこいつが噛みついてきた。
数珠「あー、それってミサワホームの蔵の事ですか??その商品の場合は先に不動産屋に一報入れるんで。」
リケ男・リケ子(なんなのこいつ。まるで土地を売りたくないみたい。一体何なの???)
リケ男「他にも天井高の高い家だってありますよね。天井が高くてもフロアが2つなら2階建てですよ。何なんですか?」
・・・
リケ男「っていうか、数珠の家って3階建てですよね。」
そう言うと自慢げに数珠が語りだした。
数珠「えぇ。3階建てです。私はね、土地探しの時から3階建てを建てると宣言して探してきたんです。私は3階建てを建てるために北側の土地を探していて、いいところを見つけたのでそこに建てたんです。途中で2階建てから3階建てに変更するなんてしてませんから!!」
数珠「家の北側には道路とその向かいに工場の事務所があるんですけど、その事務所には日が当たらなくなりましたね。冬にその光景を見ると寒そうだなって思うんですよね。事務所の人が寒そうって事です。」
一同(こいつ、こだわって土地探したのに結局人に迷惑かけてるじゃん。っていうか、寒そうってわかっててやってるんだろ?なんて意地悪な奴なんだ。)
・・・
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小人「とにかく2階建てにしていただけないでしょうか・・・?」
リケ男「周りの家だって今は2階建てですけど、30年後・60年後はどうなんですか?周りの家は建て替えないといけなくなるかもしれないけど、ヘーベルハウスは60年使用することができるんですから!!(さりげなくヘーベルハウスが長持ちするという事をアピール)」
リケ男「その時に、周りの家が3階建てにならない保証はどこにあるんですか?」
小人「30年後のことは分からないですね・・・小人ハウスを建ててから20年は経ちますがこのあたりの環境はあまり変わっていないですね。」
このままではヒートアップしていって収拾がつかなくなってしまう。
ついにヤツが口を開いた
やっつけヘーベル「あのー、このままでは先に進めないと思いますので、一度持ち帰らせていただいて検討していいでしょうか?」
召使い「そうですね。よろしくお願いします。」
こう言って召使いと小人は帰っていった。
・・・
・・・
そういえば、まんじゅうは?
そこには出しそびれたまんじゅうがリケ子の手元にあった。しかも封は既に空いている。
リケ男「何でまんじゅう出さなかったの???」
怒りに震えるリケ子がまんじゅうをテーブルにたたきつけた!
リケ子「もう何なの!!!全然何言ってるかわかんなかったんだけど!!(怒 しかも、まんじゅうが個包装じゃないから渡しにくいし!!!」
リケ男(買うときに把握しとけよ・・・)
やっつけヘーベル「ああぁ!そのまんじゅう!わたしの地元の銘菓なんです!あ~懐かしいな~」
話し合いの最中大人しかったやっつけヘーベルのテンションが突然上がった。やっつけヘーベルも感傷に浸っている事だし、せっかく用意したまんじゅうがかわいそうなので、まんじゅうを食べながら今回の話し合いを振り返った。
やっつけヘーベル「何で反対しているのかがイマイチ分からないですよね。」
数珠「話がおかしいというか・・・」
リケ男(なにっ。数珠がまともに話している・・・。不動産屋の前ではいい顔しやがって。本当にムカつくやつだな。こういうやつが出世するのか。ほんとやな世の中だ!!)
やっつけヘーベル「元地主とか関係ないですよね」
数珠「そうなんだよね」
リケ男「北側なら3階建てOKというのもおかしいですよね」
やっつけヘーベル「そうですよ。周りが2階建てとか言っていたのにそれと合わないですよね。」
リケ男「やっぱり、北側の土地が売れなくて困ってるんじゃないですか?例えば日当たりとか。でも、2階建てと3階建てってそんなに日当たり変わりますか?2階建てだって屋根があってその形状によっては北側の日当たりが悪くなりますよね?」
やっつけヘーベル「それなら旭化成が開発した良いツールがあります。その名は”住環境シミュレーションシステム「ARIOS(アリオス)」”これって、旭化成の医療関係で使用していたツールを応用して作成したシステムなんです。これを使用すれば2階建てと3階建てで日当たりを比較することができると思います。まずはそれをやってみましょうか!!」
不動産屋に突き付けるもの。それはARIOS(アリオス)で解析した結果だ!
まずは解析をするために必要な2階建てと3階建てのプランを作らなければならない。これまで止まっていた間取り検討が再開する。