汐留のパナソニックショールームに出向いた翌週の金曜日。有給休暇を取ったリケ男とリケ子はへーベルハウスの事務所にいた。この日は待ちに待った土地の決済をする日。
ヘーベルハウス事務所で最終手続き
事務所にいた電卓店長に案内され、リケ男とリケ子が応接室に入ると、既にそこには小人不動産の小人(社長)と召使い(営業)がいた。数珠も来るはずだったが、いつも通りまだいないようだ。小人不動産と会うのは、3階建ての家を巡るバトルを繰り広げた日以来。
小人「ついに土地の決済ですか。あ〜それにしても3階建ってすごいなぁ。」
この時点でもう既に間取りは2階建に変わっていたが、小人たちは知らない。「隣の人のためなら・・・」と親切心で3階建になることを教えたばかりに、無駄なバトルを繰り広げることとなった。
そのため、やっつけヘーベルには「ヤツらには今後一切間取りについては教えるな!」とキツく伝えていたためだ。そのため、いまだに不愉快そうな小人。またしても電卓店長が席を外したため、気まずい空気が4人の中を流れる。そこについにヤツも登場。
数珠「はいはい、皆さんお揃いですね。こんにちは。」
お揃いですね、じゃねえよ。なんでお前いつも一番最後に来るんだよ!電卓店長、小人不動産2名、数珠が揃った。やっつけヘーベルはこの日の同じ時間帯に別のお客さんの土地の決済が入っているとのことで、そちらが終わり次第参加するとのことだった。
ふと部屋を見渡すと見たとのない人が2名。土地の決済に際しては、司法書士の立会が必須であるため、小人不動産から司法書士が1名、そしてヘーベルハウス側からも1名。実はこの司法書士にもお金がかかっている・・・。一体何をしてくれるのだろう。
(実は、ヘーベルハウス側から派遣された司法書士は2人目だ。1人目は見積書に日当など、明らかに不要な金額がたくさん入っていて腹立たしいので変更してもらっていた。)
司法書士と軽く挨拶をした後は手続きがどんどん話が進められる。各種書類への署名捺印をするまでは本当にあっという間。全ての書類について確認が取れたことを司法書士が告げると、司法書士が早速ヘーベルハウス提携銀行へ電話をし、ローンの実行をするよう指示をした。
次は数珠への支払いと司法書士への支払い。司法書士への支払いは仕方ないにしても、なぜ数珠へ仲介手数料が必要なんだ?こいつ仲介手数料取るまでの仕事してねぇだろ!!あーイライラしてきた。
リケ男(心の声:これが欲しいんだろっ!)(ばさっ)お金(裸)を数珠に投げつける音
数珠「あ・・・、その封筒もいただいてもいいですか?」
リケ男(無言で封筒を渡す)ドンッッ!!
土地代金を支払う銀行へ向かう
そして司法書士も含めたフルメンバーで事務所から徒歩2、3分の場所にある銀行へ向かう。
土地代金が実際に振込されるまでは少し時間がかかる。数珠へのイライラでさぞ怒っているのかと思いきや、ローンが実行されるまでの間なぜかウキウキしているリケ男。
リケ男「あ〜もういいかな〜」
そういうとリケ男は立ち上がり、ATMの列に消えていった。数分後、ホクホクした顔のリケ男が領収書片手に戻ってきた。・・・どうやらATMで1円のみを引き落としたところ、領収書には巨額の残高が記載されている。こんな巨額が自分の口座に入ることもないだろうと記念にとっておくらしい。
この時点で振込が完了した事も確認できたため、実際に振込を実行する。横にはムカつく数珠が付き添う。
リケ男「この振り込みをお願いします」
数珠「当日振込されるようにしてくださいね。最優先で!!お願いしますよ!!」
銀行員「あ・・・はい・・。」
数分後
銀行員「手続き終了しました」
最後の最後にトラブル発生
手続きも無事終わり解散といきたいところだが、数珠が何やら言いたそうだ。
数珠「そういえば2階建にされたんですよね?その話、小人さんたちに伝えても大丈夫ですよね?」
リケ男(何でお前が知ってんだよ??)
数珠「立面図とか小人さんたちに渡しちゃっても大丈夫ですよね?」
リケ男(はぁっ?なんでお前が持ってんのそれ??)
リケ男「ダメです。何で大丈夫だと思うんですか?」
数珠「え、何か不都合でもありますか?」
リケ男「あります!!怒」
リケ男(元はといえばその図面を渡したせいでこんなことになったんだろ!!)
言い争いを続ける数珠とリケ男に見かねた銀行員が話かける。
銀行員「あの・・・お客様・・・」
仕方なく銀行の外に出て話を続ける数珠とリケ男。
数珠「立面図だけであれば、全然大丈夫だと思いますけどっ!」
リケ男「こちらで確認した物を見せるならまだしも、勝手にヘーベルからもらって何やってるんですか!!だめです!!」
数珠「何でですか?意味がわかりません。」
リケ男「こちらで確認してからって言ってるだろうが!!!」
一向に引かないリケ男にしびれを切らしたのか、数珠はなぜか最後にこういった。
数珠「土地ですが元々畑だった土地なので、放っておくと草が結構生えてきますからっ!草刈り代とかも結構かかるんで、まめに手入れしといてくださいねっ!!」
捨て台詞を言ってリケ男たちとは逆方向に帰っていく数珠。イライラが治らず歩いているとまた見慣れた顔が。
やっつけヘーベル「あ〜ごめんなさい!終わっちゃいましたか。」
おい、絶対数珠とリケ男のバトルをそこで見てただろう、と思ってしまうくらいの近さで現れるやっつけヘーベル。
やっつけヘーベル「無事終わりましたか?」
リケ男「最後に数珠がなんかつっかかってきて。あー本当にイライライした。何であんなやつに仲介手数料なんて払ってるんですかね。しかも何か最後に土地の草刈りしとけとか、よくわからないアドバイスして帰るし。本当イライラします。」
リケ子「えっと、あ・・・相性がきっと悪いんですね・・・」
やっつけヘーベル「(苦笑い)それはきっとへーベルハウスを建てた先輩としての一言でしょうね。確かに畑地でこれから夏なので心配ですよね。」
華麗にスルーするやっつけヘーベル。最後まで数珠とはバトルを繰り広げ終わったが、これで土地は私たちのものになった!