ヘーベルハウスと間取りの打ち合わせを毎週のように重ねるのと同時に、近郊のヘーベルハウス展示場に足を運びまくっていた。埼玉県内のヘーベルハウスはほぼ制覇。でもまだまだ間取りには納得がいかない・・・という事で都内の展示場にも進出しはじめていた。
いくつか都内の展示場を巡って分かった事は、都内の展示場がいかに役に立たないかという事だった。まず展示場全体に言えることかもしれないが、一般庶民が建てるのに参考にするにはスケールが大きすぎる。だだっ広いリビング。こんなスペース用意できるわけがないという大きさがほとんどだ。
展示場のモデルハウスをどのように参考にしたら良いかについては、以下の記事をご覧ください。
そして都内の展示場のほとんどが「賃貸併用」の展示場。3階建のうち左側がオーナーの居住スペース、右側に賃貸アパートであるヘーベルメゾンのスペース等となっている。ヘーベルメゾンも十分素敵ではあるが、建具や壁紙等はメゾン専用のものがあるらしく、以下はよくある会話。
リケ子「この扉シンプルで良いな~~♪」
営業「あ・・・この扉はヘーベルメゾン専用でして・・・。」
リケ子「( ゚Д゚)」
錦糸町モデルハウスは6階建
(錦糸町モデルハウス)
そんな中、近辺に用事があったため、たまたま訪れたのが錦糸町の展示場だった。この展示場は6階建て。まず外から見るだけでも明らかに参考にならなさそう。せっかく近くに来たし、とりあえず適当に内装や設備(どうせ参考にならない)を見て帰ろうと思っていた。
入り口に入ると間接照明でおしゃれな空間が広がっている。そして成金感が半端ない。周りは錦糸町の繁華街だし、もしかしてヤバイところに来た・・・?もう何度もヘーベルハウスの展示場には足を運んでいたものの、こんな成金感しか出ていないところは初めてだった。戸惑うリケ男とリケ子に暇そうな営業マンが早速話しかけてきた。その営業マンはチャラ男。何だ、この展示場・・・。
この展示場はエレベーターがあるため、まずはエレベーターで6階まであがり、そこからチャラ男と見学する事に。
6階は殆どの部分が屋上スペース。広い!!ソファーなどいろいろ置かれていて、寛ぐスペースとしてもよさそう!
階段を降りると、ゴージャスすぎる空間が広がる。ここはホテルか。浴室は高級ホテルにあるようなデザイン重視の丸いバスタブ。そして周りの壁はなぜかシースルーで全て丸見え。こんなの誰が採用するんだ・・・やっぱり参考にはならなそうだが、とりあえず見とこうっと。
チャラ男「これ、全然参考にならないっすよねー。あ、でもキッチンとかリビングは割と参考になるかもしれないっすよー。まぁ、全部特注ですけどねー。」
運命のリビングと出会う
その次はリビングやキッチンを見る。キッチンは北欧雑貨のような可愛らしい雰囲気で、タイルに好印象を持ったリケ子が写真を撮りまくる。
チャラ男「タイルを取り入れるだけでアクセントになりますからね!少しだけでも入れると家の雰囲気が全然変わるんでオススメっす!!」
http://www.major.co.jp/best/products/index.html
キッチンのコンロの前には通常、油はねを防止できるように壁やガラスパネルが設置されている事が多いが、このキッチンはそれが存在しない。よく見るとパネルを自動で出せるボタンがついている。(上の写真のようなもの)これ、採用する人っているのだろうか。
チャラ男「これって料理しない人しか採用しないっすね。」
リビングエリアも勿論タイルとなっている。
チャラ男「ちょっとスリッパ脱いで直にタイルに触れてみてもらっていいすか?あったかいっすよね??床暖房なんすけど、これ最高なんすよ!うちの嫁とか、タイルの上でゴロゴロしてますから。ちなみに、夏は逆に冷たくなるんで気持ちいいっすよ。」
リケ男(リビングがタイル??マジでちょっとおしゃれかもしれない)
チャラ男「あんまり参考にならないっすよねー。あ、うちもヘーベルハウスなんですが、写真見ます??結構拘ったんすよー!」
チャラ男はインテリアが大好きなようで、かなり家づくりには拘ったようだ。営業マンは仕事が忙しいあまり、皆やっつけで自宅を建てるのかと思っていたが、こんな拘りをもって家を建てる人もいるようだ。
チャラ男の家は確かに素敵だった。リビングは全面タイル張りでホテルライク。玄関も土間部分から框、そして廊下のスペースまで白いタイル。玄関から見えるところの壁は灰色でアクセントクロス。さらに照明をうまく配置しておしゃれな空間ができている。展示場ではなくてもこんなにカッコいい家が出来るんだ・・・。
リケ子「うちでもこんなカッコよく出来るかなぁ・・・」
我が家の間取りが改造される
この頃リケ男とリケ子は展示場に行く時は、必ず間取り図を持参するようにしていた。気になる間取りや設備があった時に、間取り図を参照すると自分の家に採用できるか否かを確認できて便利だからだ。
間取り図を広げると、チャラ男のテンションが突然上がった。
チャラ男「えっ、マジすか!間取り見てもいいっすか!?間取り見るとテンションあがるんすよね↑↑」
そう言うとチャラ男は間取りをまじまじと見始めた。そして突然シャープペンシルで間取りに書き込みを始めた・・・!!
チャラ男「2階のスペースをもうちょっと広げたいですね。あと30㎝広げると全然感覚変わると思うんすよ。」
チャラ男「あー屋上いいっすねー。うちも迷ったんすよー。屋上にするか、そらのまにするか。結局お金の問題で、そらのまにしたんすよねー。だから、「そらのま」あるんすけど、タコパとか出来て便利っすよ。匂いが家に付かなくていいんすよー。しかも、蚊が来るかなって思ってたんすけど、全然来なくて快適っす。」
リケ子「・・・そらのまで“ジンパ”したい!!!」
チャラ男・リケ男「???」
ジンパというのは「ジンギスカンパーティ」の略らしく、道産子・リケ子の思い出のイベントらしい。
チャラ男「あ、BBQっすね。それも、そらのまがあった方が楽っすね。屋上でもいいんすけど、道具を持っていくの結構めんどくさいっすよ。2階リビングなら「そらのま」の方がキッチンからも近いし、使い勝手もいいと思いますー」
リケ子(BBQじゃないけど・・・そらのま、いいな・・・)
リケ男(蕨の展示場に、確か螺旋階段あったな・・・。いま採用しようとしている階段だけど、あれ登った時結構怖かったんだよな・・・。あの階段をのぼりながら材料を運ぶなんて不可能な気がする。「そらのま」ありかもしれない!!)
気が付くと間取り図は跡形もなくぐちゃぐちゃになっていたが、チャラ男のそらのまの提案やリビング全面タイル作戦に心を奪われていた。参考にならないはずの都心の展示場で、間取りの最大のヒントをもらう事が出来た一日だった。